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2ルームテントは初心者には難しい?子連れファミリーが使うメリットは?

ファミリーキャンプで、使い勝手抜群で大人気の2ルームテント。

かなりの大きさなので、ビギナーには不向きそうに見えるけれど、実際のところはどうなの?

2ルームテントで100泊以上している経験から、メリットとデメリット、及びドームテント+スクリーンタープとの違いを、徹底解説。

2ルームテントってなんなの?

ウェザーマスター(R)ワイド2ルーム コクーンⅡ(コールマン)(2ルームテントの一例)

近年、あちこちのキャンプ場で目にするようになった、2ルームテント。

荷物をコンパクトにする工夫が求められるキャンプにおいて、あれだけ巨大であるにもかかわらず、ユーザーが多いのは、

「それだけ便利なキャンプギアだから」

という明確な理由があります。

2ルームテント=テント+タープ(スクリーンタープ)

そもそも、2ルームテントとは、何なのでしょうか。

キャンプでは、テント+タープの組み合わせが基本となります。

以下記事で詳しく解説していますが、テントは、快適に眠るためのシェルター。

タープは、野外で安心・安全に過ごすための屋根です。

IL タフワイドドームⅣ/300

後悔しないテント・タープの選び方 完全ガイド

親子キャンプ.com

また、タープには、「スクリーンタープ」という種類もあります。

これは、網戸で囲われた部屋を作れるイメージ。虫の侵入をある程度防ぐことができます。

2ルームテントは、機能的に見ると、テントとタープ(またはスクリーンタープ)が一体化したもの、と考えることができます。

つまり、テントとタープ(またはスクリーンタープ)を、別々に設営する手間が必要ありません。

2ルームテント1つさえあれば、寝床も、リビングスペースもまかなえてしまう、というわけです。

2ルームテントの4つのメリット

それでは具体的に、2ルームテントのメリットを見ていきましょう。

1. 設営の手間が少なく、シンプル

まずは、テントとタープをそれぞれ設営するよりも、2ルームテント1つを設営するだけのほうが、時間がかからない(または大差ない)という点が挙げられます。

同時に、テントとタープの設営方法は、まったく別。

ですが、2ルームテントであれば、1種類の設営方法さえ覚えればいいだけ、という点でも、ビギナーには有利です。

ドームテントとヘキサタープを連結させて張る例

テントとタープを連結させて張ろうとする場合には、ペグを打つ位置の微調整に、ある程度の経験(ビギナーの場合は試行錯誤)が必要になります。

大きな1つのキャンプギアである2ルームテントであれば、このような苦労は発生しません。

見た目の巨大さから、初心者ほど尻込みしてしまいがちな2ルームテント。

大きい分シンプルである、という点は覚えておいていいでしょう。

2. 有効面積が広く、寛げる

2ルームテントは、巨大な一つの空間です。

寝室となるインナーテントは、空間の一部に吊り下げ式となるケースが大半。

それ以外の広大なスペースを、自由に使うことができます。

2ルームテントと、ドームテント+スクリーンタープの違い

ドームテントと、スクリーンタープを、連結して使用する場合、外見は2ルームテントと似たような広さに見えます。

いったい、どこが違うのでしょうか。

2ルームテントは、テントというよりも、大きな一つの空間としてデザインされています。

ですので、寝室スペースは必要最小限であり、リビングスペースを広く取れるように最適化されており、使っていてストレスを感じにくい設計です。

一方で、ドームテントは、スクリーンタープとの連結を考慮されているとはいえ、“連結するために作られている” というわけではありません。

ドームテント単体では、大人が立って着替えができる背の高さ、荷物があってもゆったりできる広さが意図された、余裕のある寝室スペースです。

スクリーンタープと連結して使うと、どうしても寝室スペースとリビングスペースのバランスに、ゆがみが出ます。

ドームテント+スクリーンタープのメリット

逆に、ドームテント+スクリーンタープのメリットもあります。ドームテント、スクリーンタープ単体で使用でき、様々に応用がきく、という点です。

「今回はキャンプ場に屋根があるから、ドームテントだけでいい」

というケースなら、ドームテントだけをもっていけば済み、大きな荷物削減になります。

また、ドームテント+ヘキサタープとしての使用や、友人のスクリーンタープと連結させて大きな空間を作るなど、様々なシチュエーションにも対応できます。これは2ルームテントではできません。

3. 安心感が桁違い

2ルームテントにも、必要最小限の品質でリーズナブルなもの(例:カマボコテント2、タフスクリーン2ルームハウス等)と、高価だけれどクオリティの確かなものとあります。

特に、後者の2ルームテントは、アウトドアメーカー各社が、フラッグシップ、またはそれに準ずる製品として、非常に力を入れて作られています。

フルクローズすると、風雨をシャットアウトできます。地面が川のようにならない限りは、浸水の心配はありません。

土砂降りの雨でも、内側は完璧にさらさらに乾燥したまま。

また、強風にもとても強い構造です。きちんとペグ打ちをしていれば、常識的な範囲の風であればビクともしません。

私は、それまでドームテントとヘキサタープを使っていて、はじめて2ルームテントを使ったとき、キャンプをしているとは思えない安心感に、ほとんどインチキだとすら感じたほどです。

キャンプ・アウトドアの経験が浅い、ビギナーであるほど、高品質な2ルームテントの安心感を心強く感じるはずです。

4. スクリーンタープに比べてスタイリッシュ

専用設計されているハイクオリティな2ルームテントは、やはり一切の無駄が省かれており、機能美も追求され、非常にスタイリッシュです。

ドームテントに後付けする思想のスクリーンタープは、どことなく違和感を覚える方が少なくないはずです。

2ルームテントか、ドームテント+スクリーンタープか、迷っているのであれば、一度実物を見てみて、心から気に入るかどうか確かめてみるのは、よい方法です。

2ルームテントのデメリット

続いては、2ルームテント特有のデメリットについて、解説していきます。

1. 重くて取り回しが大変

1枚の布としてみたとき、非常に大きいため、単純に重くなります。

仮に、総重量がドームテント+スクリーンタープと同じ水準だとしても、それが1枚の布なのか、別々の布なのかによって、取り回しの労力は大きく変わってきます。

これは、ハイクオリティな2ルームテントほど不利な傾向です。布が厚く、重量がより重くなるからです。

2. 二人以上でないと設営がむずかしい

重く、大きいため、設営は2人以上が推奨されます。

特に、一部の大型テントは、天井高が2m以上にもなります。

テントの種類にもよりますが、

  • 一人に支えてもらいながらポールを立てる
  • スリーブに押し込んだポールを反対側で受け取ってもらう

などなど、複数人のほうがスムーズにいく場面が、少なからずあります。

各社、設営方法については工夫を凝らしており、意外にシンプル。組み立て方が難しいわけではありません。

けれども、重く、大きいがゆえに、労力が必要になる部分は、間違いなくあります。

3. 狭いサイトでは使えないケースも

国内最大級のコールマン「ウェザーマスター(R)ワイド2ルーム コクーンⅡ」の場合、設営するためには、横幅5m、長さ8〜9m(キャノピーポール用のロープ含む)程度のサイトスペースが必要になります。

2ルームテントの大きさによっては、有効スペースの狭い場所では、注意が必要です。広いキャンプ状でも、サイト内に立ち木がある場合など、制約を受けることがあります。

4. 乾燥・メンテナンスの手間が掛かる

2ルームテントユーザーが、口を揃えて大変さを語るのが、雨のキャンプのあとのメンテナンス(乾燥)です。

濡れたまま放置しておくと、カビたり、臭いがついたりしてしまいます。収納前に乾燥させておく必要があります。

しかしながら、2ルームテントは巨大。都市部では、設営して干す場所はなかなかありません。

ぶら下げて干すにしても、マンション・アパートでは厳しいケースが多いはずです。

2ルームテントを干せる場所、スペースがあるか、必ず確認しましょう。

また、2ルームテントは、収納時でも、かなりの大きさになるケースが大半です。

収納場所があるかも、合わせて確認しておきましょう。

著者プロフィール

寄金 佳一親子キャンプ.com編集長
一般社団法人asobi基地ユニバーシティ 代表理事/asobi基地・関東 アウトドア部 部長/Webメディアディレクター/コンスタントに年間30泊のキャンプを始め、アウトドアフィールドで年間100日近くを過ごす。ファミリー&子どもの引率経験は、のべ2,200名以上。二児の父。