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キャンプは何歳からできる?デビューのベストタイミングは?

そろそろキャンプに挑戦してみたいんだけど……子どもは何歳くらいになったら行けるの?

自身も二児の父であり、のべ1,500名前後の親子のキャンプ・アウトドアを引率してきた、経験豊富なキャンプのプロが、徹底解説します。

デビューのベストタイミングは「子ども」でなく「親」で決まる

ズバリ、子連れキャンプを始めるベストタイミングは、

“パパ、ママが「キャンプしたいな」と思えるようになったとき”

です。以下で詳細に解説していきますが、0歳だろうが、2歳だろうが、工夫次第で、いくらでも家族キャンプは可能です。

小さな子どもを連れてのキャンプというのは、それはまあ、笑ってしまうくらいに大変なものです。

通常のお出かけですら、子どもたちはけっして親の思いどおりには動いてくれません。走り出したり、泣き出したり、喧嘩を始めたり、トイレに失敗したり。次々とトラブルが起き、目が回る忙しさなのは、親である私たちが日々実感しているとおりです。

それに加えて、キャンプに挑戦する場合は、慣れない作業――たとえば、テントの設営や撤収、野外での炊事などが、のしかかってきます。

うまくやらなければならない。あれもこれもやらないと。親の心に余裕がまったくないケースが多いんですね。

そんな状況では、ピリピリして子どもを叱ってばかりになりやすくなります。子どもにとっては楽しい経験とは言い難いでしょう。

パパやママが楽しんでさえいえれば、子どもは満ち足りる

だからこそ、親である私たちが、キャンプを楽しめる体勢になっているかどうかがとても重要です。

パパやママが楽しんでさえいれば、子どもたちにとってキャンプがよい思い出になる可能性が非常に高く、大成功と言えます。

この記事を読みにきている、ということは、「子どもを自然の中に連れ出したい」とは考えているのだと思います。

子どものため、から、もう一歩進んで、親である自分自身が、「キャンプやってみたい!」という気持ちになっているか、自問自答してみてください。

子どもと一緒に自分も楽しむ、という姿勢が、何よりも大切です。

0歳・1歳でもキャンプは可能

キャンプそのものは、0歳から可能です。

実際、私が主催している「asobi基地・関東 アウトドア部」では0歳参加は珍しくありません。親子キャンプ.comの「はじめての親子キャンプ教室」でも受け入れています。

プロのインストラクターと、保育士はじめ子どもの専門家スタッフにおまかせ!母子参加、電車参加、0歳児連れも大歓迎。
キャンプ道具一式込みで、1家族 ¥35,200〜

https://oyako-camp.com/oyako-camp-workshop

0歳・1歳キャンプの注意点

ただし、0歳でも可能なのは、しっかりキャンプ経験者がいて、キャンプギアも整っており、子どもをサポートできる保育士スタッフ等がいるから。

注意点はいくつもあります。

  • 移動の負担……車の場合、チャイルドシートで身動きができない状況は、乳児にとって過酷なケースがあります
  • 虫刺され……病院にすぐに行けないキャンプ場もありますので、肌の露出は控えましょう
  • 炎天下……暑い季節は、熱中症の危険があります。質の良いタープで、確実に日除けをしましょう
  • 体温調節……自身で暑い・寒いを伝えられないので、常に気を配ってください

また、ずっと抱っこやおんぶしっぱなりになったり、頻繁な授乳があったり、グズったりは当たり前。パパかママのどちらかは、子どもに掛かりきりとなってしまうでしょう。

サイト設営や、炊事など、パパかママどちらか1人で回せる。あるいは、手伝ってくれる誰かがいるなど、ある程度の条件が整う必要があります。

0歳・1歳キャンプのアイデア

第1子はともかく、第2子以降の場合は「0歳・1歳でもキャンプに連れて行きたい」というケースは多々あると思います。

考え方は2パターン。

0歳を受け入れる体勢が整っており、実績もある団体やワークショップに参加する。あるいはキャンプ経験豊富な友人・知人・親戚縁者の助けを借りる方法。

もう1つは、手間を一切掛けずに、お金を掛ける方法。手ぶらでキャンププランを利用したり、グランピングを利用したりする手があります。

手ぶらでキャンププランは、キャンプ道具や食材を何も持たずに、キャンプをしたり、コテージに宿泊できるサービス。近年とても増えています。

グランピングは、まるでリゾートホテルに滞在しているようなイメージ。大型テントの中に、ベッドやソファなど豪華な調度品が備え付けられています。

オムツの処理に注意

オムツが外れる、2歳・3歳くらいまでは、使用済み紙おむつの処理が課題になります。

キャンプ場は、ゴミの収集サービスがあるところと、各自での処理としているところと、分かれます。

事前に、キャンプ場のゴミ処理対応について、調べておきましょう。

ゴミ収集サービスがない場合、焚き火等での焼却は極めて困難です。現実的には持ち帰りとなります。

臭いが気になりますので、二重、三重にゴミ袋に包むなどして、対応しましょう。

2歳はイヤイヤ期に注意!

2歳くらいになると、当たり前に外出するようになると思います。キャンプ場選びの範囲も、だいぶ広くなります。

ただし、注意したいのが、イヤイヤ期。

子どもにとって、重要な発達の段階だとは理解していると思います。しかし言うことを一切聞かず、声掛けもなにも無視してギャーと泣かれては、親は途方に暮れるしかありません。

スペースに余裕のないキャンプ場では、周囲のキャンパーに迷惑を掛けるのでは……と、肩身の狭い思いをするケースもあります。

特に、パパ・ママにキャンプ経験が少ない場合、テントがうまく立てられなかったり、炊事に手間取ったり、ストレスが溜まりやすい状況になりがちです。

そんなときに、ギャン泣きされると、ついつい、カッとなって叱り飛ばしたり、怒鳴ったりしてしまう可能性が高くなります。

イヤイヤ期のキャンプのアイデア

こうした発達段階の子どもと、キャンプデビューしようとする場合、何よりも、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。

時間の決まったプログラム等は、可能な限り、予定に入れず、

「とにかくテントを立てて眠れればOK」

くらいに考えておきましょう。

また、お腹が空くと、大人も子どもも機嫌が悪くなりやすくなります。無理に炊事を行わず、外食をしたり、レトルトで手軽な献立したりするのも手です。

0歳・1歳同様、手ぶらキャンププランや、グランピングで、手間を省くのも、とても効果的です。

キャンプ場選びの視点では、海や川のすぐ側にあるキャンプ場がおすすめです。

子どもが泣いたり、騒いだりする声を、波や川の音がかき消してくれるためです。

山間や林間の静かなキャンプ場では、いざというときに逃げ場がないので、気が滅入ってしまうかもしれませんので、ご注意ください。

3歳は絶好のタイミング

その子の個性・発達により異なりますが、3歳くらいになると、イヤイヤ期が終わり、キャンプデビューがとてもしやすくなります。

個人的には、第1子であれば、3歳がベストタイミングだと考えます。

本格的なキャンプに、ぜひ挑戦してみましょう。

3歳以降は “なる早” がおすすめ

ここまでくれば、なるべく早い段階での、キャンプデビューを、おすすめします。

なぜなら、3歳、4歳、5歳くらいの幼児のほうが、新しい環境に慣れやすいためです。

都市部で生活する子どもにとって、キャンプは、今までにない、まったく新しい体験。

もしかしたら、初日の夜は、うまく寝付けなかったり、珍しく夜泣きをしたり、トラブルもあるかもしれません。

が、2回、3回とキャンプを続けるうちに、みるみる適応していく姿を見られます。

逆に、小学生の中学年・高学年となってくると、自分の考えを持ち、好き嫌いがはっきりしてきます。異なる環境への適応に、時間が掛かる傾向が見られます。

キャンプや、アウトドアアクティビティなど、自然に触れる体験を、ライフワークとしたいのであれば、幼児期にデビューしておくと、なんなく自分の世界の一部にしてくれるでしょう。

子どもの「やりたい!」を守ればうまくいく

キャンプ場(慣れない環境)ではイライラしやすい

最後に、子どもをキャンプに連れて行く際の心構えのお話です。

親として子どもに、

「好奇心で目を輝かせ、夢中で遊ぶ体験を重ねてほしい」

と願う方は多いはずです。私も二児の父としてまさにそうでした。

では、子どもたちが「やりたい!」を発揮して夢中になって遊び、ぐんぐん成長する……姿を見られるようにするには、どのような環境を作り、どのようなスタンスで見守ればいいのでしょうか?

キャンプ場では、イライラしたお父さんやお母さんが、つい

「なんでそんなことをするんだ」「邪魔だからあっち行って」

と子どもを怒鳴り散らす姿を、しばしば見かけます。

そうなんです、わかります。子どもってわざわざ、触ってほしくない場所に手を出すんですよね。

好奇心を発揮しているときにこそ成長する!

でも、子どもが、あれこれ触ってみたり、ポールを振り回してみたりするのは、

「これはなんだろう?」「どうなっているのかな」「触ってみたいな」

と興味津々だからです。

そして、こんなふうに好奇心を発揮しているときの子どもの成長速度は、目を見張るものがあります。

日常では、子どもがやりたいと思っていることを、とことんやらせてあげられる機会は、なかなかありません。時間がなかったり、忙しかったり。はたまた、汚れるからダメ、ちらかるからダメと、止めさせることもあるでしょう。

豊かな自然の中は、非日常。切り替えるにはうってつけの環境です。

せめてキャンプのときだけは、子どもの「やりたい!」を最大限に尊重して、自由にやらせてあげましょう。危なければ、危なくないようにサポートして、やらせてあげましょう。

すると不思議、子どもたちは生き生きとして目を輝かせます。ときには、毎日顔を突き合わせているはずの親が見たこともないような、とびきりの笑顔を見せてくれます。

完璧にやろうとがんばり過ぎないでいいんです。

私は年間30泊くらいはコンスタントにキャンプをします。しかし、すべてが予定どおり・想定どおりに進むケースは、ただの一度もありません。

なぜなら、自然が相手だからです。

予定どおりに進まない前提で予定を立て、不測の事態を楽しむリクリエーション。それこそ、キャンプやアウトドア。

直火で炊いたご飯が焦げてしまったら、カリカリのお焦げを

「滅多に食べられないよね」

と楽しむくらいで、ちょうどいい。うまく行かなかったとしても、「うまく行かなかったね」と笑い飛ばせばいいだけ。

“キャンプを完璧にこなす” 必要はまったくありません。ノウハウは後からで構わないんです。

もっと詳しく知りたいなと思うようになってきたら、気になっていることを、親子キャンプ.comで検索して調べてみてください。

そんなおおらかな気持ちで、家族キャンプを楽しんでもらえたらと思います。

著者プロフィール

寄金 佳一親子キャンプ.com編集長
一般社団法人asobi基地ユニバーシティ 代表理事/asobi基地・関東 アウトドア部 部長/Webメディアディレクター/コンスタントに年間30泊のキャンプを始め、アウトドアフィールドで年間100日近くを過ごす。ファミリー&子どもの引率経験は、のべ2,200名以上。二児の父。