キャンプを始めとするアウトドアでは、成長して社会で生きていく上で欠かせない「非認知能力」が伸びるとよく言われますが、「あれもダメ、これもダメ」と言っていては、せっかくの環境を活かすことができません。
家族キャンプを、実りある、豊かな時間にしたい。子どもには、目を輝かせ、夢中になって遊んでほしい。
そのためには、日常とは少し視点を変え、子どもたちといつも以上に向き合うことが効果的です。
キャンプで大切にしたい3つのフィロソフィー
- 子ども目線で世界を見てみよう
- 「ダメ」と言ってはダメ
- 大人も子ども全力で楽しもう!
子どもはキャンプに連れていって、と頼んでいない?
こんにちは。「はじめての親子キャンプ教室」インストラクターの、よりかね隊長です。
たとえ、それまでアウトドアに興味がなかったとしても、子どもが生まれると、8割・9割のパパ・ママが、「我が子をアウトドアに連れ出して、自然に触れさせたい」と思うのだそうです。
「子どものため」
インストラクターである私も二児の父ですので、親としてごく自然な気持ちであることは、よくわかります。
ただ、注意しなければならないのは、ほとんどの場合、子ども自身は「キャンプに連れていってほしい」とは、頼んでいないはずです。知らないものをやりたいとは、なかなか思えないですからね。
このように、親の思いと、子どもの気持ちに温度差がある場合、ちょっとした掛け違いで、キャンプが台無しになってしまうことがあります。
たとえば、せっかく大渋滞にハマりながら、苦労して自然の中に連れてきたのに、子どもは虫を怖がってしまい、ママの抱っこから降りようとしない。
「虫なんか平気だよ」「男ならこんなの怖がるなよ」
けれども効果はなく、親の側のイライラは募るばかり。
結局、子どもの一挙一投足が気に入らず、何度も怒鳴り散らしてしまった。
こうなれば、キャンプがうまくできたかどうか以前の問題で、子どもにしてみれば「キャンプに行くと怒られる」「否定されるばかりでつまらない」と、苦手意識をもってもおかしくありません。
最初はビビって当たり前。子どもが世界を広げるには「見守る」ことが大切
言うまでもなく、家族キャンプを実りある時間にするためには、親も子どもも、ありのままを受け入れ、自然体でいられることが最も重要だと、私は断言します。
たとえテントがうまく設営できなかったり、ご飯を炊いたら焦がしてしまったりしても、家族みんなで「楽しかったね」という思い出を共有できれば、きっと子どもは、またキャンプに行きたい!と元気よく語ってくれるはずです。
“良い親” を演じなさい、という意味ではありません。
ここで重要なのは、ただ「見守る」こと。そしてできることであれば、私たち親自身も、キャンプを楽しむこと。
子どもにしてみれば、アウトドアは、経験したことのない世界へ踏み出す一歩です。怖かったり、うまく馴染めなかったりして、当たり前。
発達心理学で「心の安全基地」と言いますが、親がどっしりと構え、子どもが甘えたがったら思う存分甘えさせてあげることにより、安心を感じ、心配せずとも徐々に世界を広げていけるようになっていきます。
ポジティブな感情はもちろん、ネガティブな感情も、すぐ隣で一緒に共感してあげることができれば、きっと笑顔のキャンプができるはずです。
1. 子ども目線で世界を見てみよう
「大人も子どもも、みんな一人の人間として平等である。」
当たり前のようですが、あらためて考えてみると、意外に深い命題である事実がわかります。
日常生活では、意外と大人の都合で行動し、子どもに押し付けてしまう形になっているケースが少なくありません。
キャンプは、非日常の空間。心を切り替えるのには、よい環境です。
このときばかりは、大人の側から、子どもの側に歩み寄って、子どもがいったいどんな世界を見ているのか、何を思い行動しているのか、じっくりと向き合ってみましょう。
2.「ダメ」と言ってはダメ
何よりも大切なのは、子どもの「やりたい!」という意欲です。なぜならば、子どもを何よりも輝かせ、飛躍的な成長に繋がるからです。
キャンプでは、普段は目にしない様々な道具があり、豊かなアウトドアフィールドがあります。もちろん子どもは、興味津々です。
たとえ、危ない、まだ早いと思っても、「危ないから触っちゃダメ!」と叫ぶのではなく、「ここをこう持ってごらん。一緒にやろうか」と、どうしたら実現させてあげられるかを考えてみてください。
水を吸収するスポンジのように、子どもはみるみるうちに成長を遂げ、親である私たちも、とても幸せな気分になれるはずです。
3. 大人も子ども全力で楽しもう
キャンプを楽しむために資格は必要ありません。いかなる要因も関係なく、どんな人でも楽しめるアクティビティです。
「大人だから」と斜に構えたり、「子どもだから」と行動を制限したりする必要はまったくなく、自分の心・欲求に素直に、やりたいことをやってください。
色々なキャンプギアに興味がある人、ハンモックが大好きな人、炊事のコツを知りたい人、延々と焚き火に向き合いたい人。
親子キャンプ “教室” ではありますが、それぞれの「やりたい」を最大限に尊重しますし、どのような過ごし方も正解です。
ぜひ、心ゆくまで、キャンプを満喫してください!